当社は、一般社団法人 日本UAS産業振興協議会(事務局:東京都文京区、理事長 鈴木 真二、以下JUIDA)、ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長 熊田 貴之)、株式会社ACSL(本社:東京都江戸川区、代表取締役CEO 鷲谷 聡之、以下ACSL)、イームズロボティクス株式会社(本社:福島県南相馬市、代表取締役社長 曽谷英司、以下イームズロボティクス)、株式会社プロドローン(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長 戸谷 俊介、以下プロドローン)と共に、日本国内で販売されているドローンの機種ごとの操縦技能および安全運用スキルをドローンパイロットが保有していることを客観的に評価・証明する「機種別ドローン操縦者技能・運用証明証」(以下、機種別ライセンス)の新設に向け、戦略的提携MOUを締結しました。
また、本取り組みには、上記の国内ドローン機体メーカーのほか、海外ドローンメーカーの国内代理店も複数社が参画を表明しています。
MOU締結の背景 ~人的運用の課題解決に向けて~
現在のドローンスクール等における技能証明は、講習に用いた機種以外の技能を積極的に評価するものではないため、ドローン実運用に際しては、扱う機体に精通するためのトレーニングを必要としています。その反面、従来のトレーニングはドローンの機体マニュアルやトレーニング内容がメーカー毎に様々となっているため、新たな機種を扱う際や、扱う機種が変更になった際のリスク評価やリスクコントロールにおいて課題がありました。そのためもあり、ドローン運用の実施は操縦・安全管理の両面において高い技能を有する特定のドローンパイロットに偏ってしまい、ドローン運用の需要拡大に対するドローンパイロット不足という課題を生じています。
さらに、ドローンスクール等において国産機体を活用した講習実績も少ないため、ドローン実運用に際して各種国産機を利用するための障壁ともなっていました。
■ドローン運用における課題
・メーカーごとに機体の取扱方法の説明やトレーニングが全く異なるため、他メーカーの機種を操縦する際のハードルが高い
・外部委託時等においても、委託先のドローンパイロットが扱う機体の知識や技能をどの程度保持しているかを客観的に評価する基準がなく、高技能を有する一部のドローンパイロットに運用業務が集中している
・海外メーカー機体に慣れたドローンパイロットが、操縦経験の少ない国産機体の操作性を十分に把握せず運用し、その性能を十分に発揮できない事例がある
今後の取り組み ~安全運用と市場拡大を両立~
本MOU締結により、JUIDA、ブルーイノベーションおよび機体メーカー各社は、前述の課題の解決に向け、以下を共同で推進していきます。
■安全性の基準化と客観的評価制度の確立
・ドローン機体別の操縦・運用技能プログラムと評価基準ガイドラインの策定
・機種別の統一トレーニングと定期試験によるドローンパイロットの技術水準の継続的保証
・機種別認定ライセンスの発行及びドローンパイロットスキル管理手法の確立
■新規ビジネスチャンスの創出と業界の信頼性向上
・ドローン機体の導入および普及拡大に向けた業界内ビジネススキームの構築
・本機種別ライセンスのデジュールスタンダード化に向けた国や自治体等への各種提言
本取り組みにより、ドローン業界の安全性、信頼性、専門性の継続的な向上、ドローン運用アプリケーション(点検や物流、測量など)における操作ミス防止や緊急手順への精通などによる事故リスクの大幅な減少、ひいては業界全体の持続可能な成長と社会的受容の促進に貢献します。
なお、本取り組みでは、経済産業省およびNEDO等が推進している、各種プロジェクトとも連携し、ドローン産業の高度化と発展、安全で効率的なドローン運用の新たな標準の確立、新技術の活用等も検討していきます。
各社の役割
■JUIDA
・機種別教育プログラムおよび評価基準ガイドラインの開発
・機種別ドローン操縦者技能・運用証明証の開発および発行
・講師育成およびJUIDA認定スクールによる機種別パイロット教育の定期実施
■ブルーイノベーション
・ライセンス取得パイロット管理システムの開発、運用
・機種別フライトシミュレーターの企画検討
・機体導入促進スキームの構築と運用
■各機体メーカー
・各機種のマニュアル整備・提供および機種別教育プログラムの開発サポート
・自社機体販売時のドローンパイロット育成およびライセンス普及活動
・機体導入促進スキームの構築と運用