株式会社タクマ様

足場組立の時間・コストをカットしボイラー点検を実現

日本初の純国産ボイラーを発明した田熊常吉氏を創始者として、1938年に兵庫県尼崎市で創業した株式会社タクマ。現在は廃棄物処理や水処理といった大規模プラント、およびバイオマス焚きボイラー発電プラントなどのエネルギープラントの建設からメンテナンス、改良、運営(O&M)までを手がけている。私たちの暮らしに欠かせないインフラを支える株式会社タクマで、Liberawareの小型ドローン「IBIS」はどのように活用されているのだろうか。

現在、メンテナンスの事業関連でドローンを取り入れていらっしゃるということですが、最初に導入されたのはいつですか?

「昨年(2021年)の7月からです。その前年にLiberawareさんに『ちょっと飛ばしてみてもらえませんか』と相談して、2件ほど炉内点検をやってみました。パイロットの方に来ていただき、炉内を撮影したところ、これは使えそうだという話になりました」

そもそも御社にはどんな課題があり、どういう経緯でドローンの導入を検討されたのでしょうか。

「弊社が扱うのは高さ20〜30mのボイラーが多いのですが、炉内の上の方を点検する場合、下から足場を組まなければなりません。組み立てるのにも、解体するのにも時間がかかり、もちろんコストもかかります。年に2、3回はボイラーを止めるのですが、その度に実施できるかというと、ちょっと難しいですね。お客様としても、できるだけボイラーの稼働時間を長くしたいですから。そうした我々の目が届かないところを、もっと手軽に、近くで見ることができないかということで、ドローンが手段のひとつになりました。実は長い棒にカメラをつけて撮影しようと考えて、10mくらいの棒を購入したこともあったくらいです。また、弊社の中期経営計画として、デジタル化の推進を掲げているのですが、そこに合致したという点もありました」

他社製品もある中で、Liberawareにお声がけいただいたのは、どういう経緯だったのですか?

「あるお客様にご紹介いただいたのがきっかけです。もちろん他社のドローンの情報も耳に入っていましたし、実際に売り込みもありました。Liberawareさんの場合、自社でドローンを開発されているのが大きかったですね。どんどん進化していく技術ですから、外国製のドローンをもってきても、なかなか対応できない部分があると思います。これはドローンに限らず、今までの経験でも色々とありましたので、やはり国内で自社開発されているのは大きいと思います。実際にLiberawareさんの担当者とお話しして、どのように開発してきたかわかりました。自分たちで技術を高めてこられたのがわかるので、安心できますね」

Liberawareのドローンは小型かつ軽量という大きな特徴があります。

「そうした長所も含め、やはり2年前に実際に飛ばしてもらったのが大きいですね。もっと前に、自分たちで外国製のドローンを使って試してみたのですが、炉内で飛ばそうとしても視界不良になったり、制御がおかしくなって墜落したりということがありました。ですから社内でも躊躇する面はあったのですが、実際にLiberawareさんに飛ばしてもらい、納得できた部分がありました」

ドローンをお試しになっていかがでしたか? 現在の運用状況はどうなっているのでしょうか。

「現在試行錯誤中です。昨年秋頃は月1回のペースでテストしていました。実際にメンテナンス作業が入っているところで飛ばしており、新しい作業工程ですので、現場との調整やお客様へのアピールをしながら実施しております。」

パイロットは自社で用意されているとのことですが、練習などはどうしているのですか?

「最初の頃はLiberawareさんに来てもらって、弊社の工場で2日間の講習を2回、練習の仕方を学びました。東京では、Liberawareさんが実施している講習に参加する形です。ただ毎日は練習できないので、テスト予定日の2週間くらい前から、操縦担当者が時間を作って練習します。少し間が空くと操縦技術が落ちるので、そのあたりは今後の課題だと思います。とはいえ、自分たちでやっていく上では、第一段階としてはいいのかなと思います。今後、グループ会社などに依頼する形をとって、ビジネスにしていくパターンもあり得るかもしれません。そのあたりも模索している段階です」

メンテナンス業務以外でのドローンの活用法は、何か検討されていますか? また今後必要になってきそうな機能などはありますか?

「弊社の事業としてプラントの運営・管理を行っています。その中で運転員が勤務時間中に巡回し、コンピュータに信号を取り込んでいない計器の数値を記録しています。そうした作業に対して、補助的にドローンが使えるかもしれません。音などを記録し、いつもと違う場合に運転員が駆けつけるといった形ですね。例えばAIと組み合わせることで、画像や音、振動などを解析して、通常と違うところを教えてくれるといったことも考えられます。運転員の負荷を少しでも減らせれば、別の作業に注力してもらうことができます。何しろプラントを止めてはいけないので、未然に異常に気づくことが重要です。ドローンや自律走行型ロボットなどが、そうしたことを補助的にやってくれると助かります。弊社の点検を行うメンバーにはベテランから若手までいます。ベテランはケアレスミスがなければ大丈夫ですが、経験の浅い人は、いつもと違うことが起きても判断できない場合があります。そうしたケースで補助的に判断材料を提供してもらえれば、それを元に先輩や上司の判断を仰ぎ、ミスや漏れを防ぐことができると思います」

Liberaware製品へのご要望はありますか?

「より操縦性を向上させてほしいです。現在は若手社員にパイロットをやってもらっていますが、彼らは(ドローンの操縦よりも)本来の業務を早くマスターしたいと考えていますので。例えば、高さのある排気筒、つまり煙突の中を見たいのですが、気流に負けずに飛行させるというのは、操縦技術が必要です。排気筒の内部というのは、日頃なかなか見られないだけに、点検の需要も多い部分です。高さが何十メートルもあると高いところが見られませんし、外側から登れるようにもなっていません。ですから、腐っていないかが心配されますし、実際に地震や台風などで折れたり、曲がったりすることもあります。お客様のご要望も多いので、そうした声には応えていきたいですね」

今後、ドローンはビジネスにどんな影響を与えそうでしょうか。

「我々が手がけている点検や清掃の作業は、どうしても若い人に敬遠されがちです。そうした人材を育成するためにも、ドローンがひとつのきっかけになってくれたらと思っています。ドローンだけで点検・清掃ができたらいいのですが、それはまだまだ先の話でしょう。O&M(オペーレーション&メンテナンス)業務でも、操作・運転する人材を集めるのが大変です。そのあたりの補助をドローンに期待したいですね。現在はドローンを導入したこと自体を社内で評価されていますが、今後は具体的な成果を出していかないとなりません。そうした意味でも、Liberawareさんと一緒に新しいビジネスに取り組んでいけたらと考えています」

株式会社タクマ エネルギー本部 メンテナンス2部 大田 政一氏/部長(左)と事業推進課 喜多 照行氏/課長(右)

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