株式会社東京ソイルリサーチ様

IBISを活用し点検ソリューションの幅を拡大

1966年に創業した地盤調査を主な業務とする東京ソイルリサーチ。構造調査設計事業部は1976年に旧耐震建物の調査・診断・補強設計の事業からスタートし、お客様のご要望にお応えする中で、構造関連の各種調査や各種診断、新築構造設計へと業務範囲を広げてきました。RC造の住宅から、中高層のビル、工場、ホールまで幅広く手掛けています。その中でLiberawareの小型ドローン「IBIS」を導入され、様々な試みを始めたのがおよそ1年前。今回はそんな東京ソイルリサーチがどうIBISを活用しているのか紹介します。

執行役員 佐々木勝康 様 (左)
構造調査設計事業部 主任 松井悠平 様(右)

足場設置のコストや高所作業車だとたどり着けない点検が課題

佐々木 「多くのRC住宅で耐震補強が完了し、近年は鉄骨造の工場や大空間構造、木造といった案件が増えてきています。天井の高い工場を調査する際は高所作業車を入れたり、足場を組んだりしなければなりません。ですが、周囲に物があって作業車が辿り着けないケースもあり、また足場を組むにもコストがかかりますから、なかなか大変です。そこでドローンで調査できれば、非常にメリットがあるだろうと考えました。また天井裏や床下の調査もあり、そうした狭い場所も人が入るのは大変です。IBISは小さくて小回りが利きますから、安定してきれいな画像を撮ることができれば非常に助かると考えています」

IBISの決め手は簡単には落ちない帰還率の高さ

松井 「ドローンにも色々なタイプがありますが、私どもの場合は室内向けのものを中心に調べておりました。そんな折にIBISを知り、まさに『これだ』と。ただ実際に導入するまでに、半年くらいは様々な角度から検討しました。決め手になったのは、姿勢制御がしっかりついており、壁にぶつかりながらでも飛行することができ、簡単には落ちないという点ですね」

ごみ処理施設・地震被害の建物など幅広くIBISを活用

佐々木 「私どもの事業部の中に調査技術に関する勉強会があるのですが、そのメンバーを中心に調査内容をより良くしていこうという話になり、みんなで無線の免許を取ることから始めました。現在はスペシャリスト試験※1を通った松井を中心に、これから試験を受ける者がもうひとり。これまで10人近くが講習を受けていますが、強い意志で次のステップへ進もうと努力しています。」
※1 Liberaware主催の独自の認定試験

松井 「練習は本社の地下で行っています。狭いスペースですが、可動式の書棚があり、それを動かすことで簡単なコースを作ることができます。私の場合、しばらくひとりで練習していましたが、続けられたのは面白いと思えたからですね。もちろん試験合格へのプレッシャーはありましたが、練習自体は嫌ではなかったです」

佐々木 「実は松井は、スペシャリスト試験※1に合格する前に現場でデビューしています。試験を受けようとしている最中に、取引先の方からお話をいただきました。ゴミ処理施設のピット内にあるクレーンを検査したいということだったのですが、足場も作れない場所ですから、これはIBISだと。結果として、撮りたい映像は撮れていたので、本人も自信になったようですね」

松井 「その他にも地震被害にあった福島の建物で、鉄骨の状態を調べるというものを実施しました。あとはドローンと関係のない調査依頼の際にも、試験飛行させていただいたことがあります。ある大手農場の木造サイロで非常に古いものでしたが、再訪の予定があるので、その際は撮影データを点群化し、そこから寸法を取ったりできないかと考えています」

佐々木 「先ほどのゴミ処理施設点検でもきちんと飛ばせるか少し不安な部分はありました。ですがそこはLiberawareさんのパイロットによる点検補助や操縦のサポートをしていただけるということで、思い切って送りこみ、大成功でした(笑)」

佐々木 「点群化や3Dデータ化等の話はまだまだで、まずはどう飛ばして、どう近づけばいいのか、そうした技術やノウハウを磨いていく必要があると思っています。しっかりしたデータを取れるようにしないと、ドローンの価値も高まっていきません。建物には設計図面がありますが、まずは実際に図面通りかどうかということがあります。それから図面を元に調査した際、ちゃんと正しく鉄骨が付いているか、錆などで厚さが減っていないかといったことを調べます。もし厚さが減っていると、それが建物の耐力を低減させることになります。そうした調査で実際の耐量が決まり、その建物がどのくらいの老朽状況かを判定できるようになります。そうした調査にIBISを活用していきたいと考えています。これまで高所作業車を出したり、足場をくんだりしていた作業の一部をIBISが担うことができれば、当然ながら予算や時間の削減も可能です。そうなれば、お客様にも喜んでいただけると思います」

佐々木 「今後は屋内の案件だけではなく、外でドローンを使う要望がお客様からあった時、弊社で取りまとめてアレンジするということにも取り組みたいです。そうしたことが増えてくると、ドローンを用いた調査業務を多角的にやっていくことができると考えています。」

松井 「個人的には、ドローンを使った調査専門部隊ができるくらいまでになればいいなと思っています。まだ始めたばかりで案件も少ないですが、今後はどんどんお客様にご提案していきたいですね」

松井 「今は現場ごとに手探りでやっていて、きちんと撮れているのか不安になることもありますので、様々な場面を想定したマニュアルや講習会が拡充されたらいいなと思います。

佐々木 「弊社のパイロットは現在1名で、2人目が試験に向けて頑張っています。できれば関西のメンバーからも2人、計4名の体制が理想的ですが、レンタルしている機体が1つなのが悩ましいところ。ただ、IBISはレンタルして終わりというわけではなく、どんどん改良され、レンタルサポートも充実していますから、そういうところは非常に助かっています」

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